111. クリスマスの魔法使い(絵本?)2005年12月21日 16:56

クリスマスの魔法使い(il mago di natale)

クリスマスが近くなりましたが、以前にも紹介したイタリアの童話作家ジャンニ・ロダーリの童話に、ムナーリが挿絵を描いた「クリスマスの魔法使い(il mago di natale)」という本があります。日本でも輸入書籍として扱っている本屋さん(青山ブックセンターなど)があるようです。テキストはイタリア語ですが、ムナーリの抽象的な雰囲気の挿絵が楽しい一冊だと思います。

112. ムナーリのアルファベット2005年12月22日 20:37

ムナーリのアルファベット

ムナーリはグラフィックデザインの仕事を多く残していますが、文字についてもいろいろな実験?をしています。以前ご紹介した「木」のカリグラフィー(習字)もある意味では文字のデザインですが、そのものずばりアルファベットのフォント(書体)のデザインもしています。その他にもアルファベットをテーマにした本をいくつか作っています。

113. ムナーリの照明器具2005年12月23日 19:52

「六角形の照明器具(Lampada esagonale)」

ムナーリが1959年に作った「六角形の照明器具(Lampada esagonale)」(限定生産)です。写真で見るかぎり、金属板を大小の六角形にしてランプシェードにしているようですが、これも分解組み立てが出来そうな雰囲気です。ムナーリのプロダクト(特に照明器具)では分解・組み立て・変形といった要素についてよく考えられたものが多いように思います。そういえば、調べた限りでは照明器具がムナーリの手がけた唯一の「電気製品」かも?

114. アルファベットしよう(ALFABETIERE)2005年12月24日 18:59

「ALFABETIERE」

ムナーリは文字についてもいろいろなデザインの実験をしているとご紹介しましたが、そのひとつの成果?がこの本かもしれません。「アルファベットしよう(ALFABETIERE)」という本で、内容はアルファベットの文字をテーマにさまざまな書体やコラージュをまとめています。「ALFABETIERE」というのは造語のようですが、おそらく動詞ではないか?と勝手にタイトルを訳してみました。コッライーニ社より2000年に出版され、国内でも輸入書として販売されています(イタリア語)。

115. カンパリ2005年12月25日 16:52

カンパリのコラージュ

ムナーリのタイポグラフィー(文字を使ったデザイン)の代表的な作品のひとつとしてあちこちに紹介されているのが、「カンパリ」のロゴをモチーフにしたコラージュです。1964年の仕事ということですが、「カンパリ」というのは「カンパリソーダ」で有名なイタリアのリキュールですね。タイポグラフィーではありませんが、ムナーリがオスラムという国際的な電球メーカーのために光をテーマにしたブックレットを作ったりもしています(1990年・非売品)。ムナーリのセンスを企業PRに活かすというのは、しゃれているなあ、と思うのですが。

116. 創造的なこども(ムナーリの言葉)2005年12月26日 19:09

ランプで遊ぶ

”こどもの心を保ち続けると言うことは、好奇心と知る、理解する、だれかとなにかを伝えあうことを楽しむ心を保つと言うこと” ”今日のこどもたちは明日(未来)の大人たちです/彼らがステレオタイプな人生から自由に生きられるように助けよう/彼らの感覚が成長するのを助けよう/より感受性の豊かな人間になれるよう助けよう/創造的なこどもは幸せなこどもだから” "Conservare l'infanzia dentro di sé per tutta la vita, vuol dire conservare la curiosità di conoscere, il piacere di capire, la voglia di comunicare " "I bambini di oggi sono gli adulti di domani/ aiutiamoli a crescere liberi da stereotipi/ aiutiamoli a sviluppare tutti i sensi/ aiutiamoli a diventare più sensibili/ un bambino creativo è un bambino più felice. "

117. 色と形2005年12月27日 16:56

「テトラコーンSM」

ムナーリが1965年に作った「テトラコーンSM」というオブジェ?です。四角い枠(箱)の内側に円錐形が四つ、それぞれ独立して回転するようになっており、またそれぞれの円錐には半分ずつ反対色(緑と赤)が塗られていて、円錐が回転することでさまざまな色の混ざり合いを目にすることが出来る、という「一種の機械」だそうです。機械を賛美した未来派芸術の影響だけでなく、アイディアを実現するために技術(テクノロジー)を積極的に用い、なおかつ技術をアイディアに優先させないところがムナーリのスタンスではないかと思います。

118. 役に立たない機械2005年12月28日 18:01

「役に立たない機械(macchina inutile)」

「役に立たない機械(macchina inutile)」というタイトルのムナーリの初期作品はいくつもあって、「モビール」に似たものがもっともよく知られていると思いますが、同じように動くオブジェでも形や素材がかなり違う作品もあります。基本的に「機械は目的があって動くものだが、私の作品は動きに目的がないので、役に立たない機械なのだ」というようなことをムナーリは語っていたそうです。

119. カスティリオーニ、ムナーリを語る2005年12月29日 18:33

アッキーレ・カスティリオーニ
イタリアを代表するプロダクトデザイン界の巨人、アッキーレ・カスティリオーニ(1918-2002)がチェゼーナでのムナーリ展に寄せて、ムナーリについて短いコメントを残しています。

INSEGNAMENTO
Achille Castiglioni


Bnuno Munari,
il piu' bravo
insegnante
che ha capito:
come insegnare,
a chi insegnare.
quando insegnare,
e come continuare
a insegnare.


「教えること」
アッキーレ・カスティリオーニ


ブルーノ・ムナーリは
どうやって教えるか
誰に教えるか
いつ教えるか
どうやって教えるか
そしてどうのように続けるか
理解している:
極めて優れた
教師だった


Beppe Finessi, "SU MUNARI", Abitare Segesta Cataloghi, 1999

120. ムナーリのグラフィックワーク?2005年12月30日 11:18

ロンバルディア州のシンボル

ムナーリが生まれ、生きたイタリア・ミラノはロンバルディア州に属しています(州というのは、だいたい日本の都道府県にあたる行政区域でしょうか)。このロンバルディア州のシンボルデザイン(1974年に制定)にムナーリが関わっていたそうです。実際のデザインをした、のではなく企画段階でのさまざまな助言が彼の仕事だったようですが、できあがったシンボル(画像左端の丸い十字のようなマーク)は今もあちこちで活用されています。

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イタリアの芸術家+デザイナー+教育者、ブルーノ・ムナーリのことなどあれこれ。
こちらにもいろいろ紹介しています(重複有)https://fdl-italform.webnode.jp/

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