467.ジャンニ・ロダーリの詩2026年04月04日 10:06

2026ミラノ・コルティナ冬季オリンピック開会式
2026年2月にイタリアで開催されたミラノ・コルティナ冬季オリンピックの開会式に、イタリア人のハンドジェスチャーがムナーリの名とともに紹介されたことを過去のトピックでご紹介しましたが、同じ開会式でムナーリの盟友とも言うべき作家ジャンニ・ロダーリの詩が紹介されていたようです。

2026ミラノ・コルティナ冬季オリンピック開会式

詩のタイトルは「Promemoria:覚え書き」といった言葉で、子どもの目線から、現代の暴力と強欲による戦争が各地で悲劇を起こしている状況に抗議申し立てをしているような内容になっています。ロダーリもまた第二次大戦下でファシズムに抵抗したレジスタンスの一人でした。

Ci sono cose da fare ogni giorno:
lavarsi, studiare, giocare,
Preparare la tavola, a mezzogiorno.
Ci sono cose da fare di notte:
chiudere gli occhi, dormire,
avere sogni da sognare,
orecchie per non sentire.
Ci sono cose da non fare mai,
né di giorno né di notte,
né per mare né per terra:
per esempio, la guerra.

毎日やるべき、いくつかのことがある:
体を洗うこと、勉強すること、遊ぶこと、
お昼に食事を準備すること。
夜にもやるべきことがある:
目を閉じて眠ること、
夢見るための夢を持つこと、
何も聞こえないように耳をふさぐこと。
決して、してはいけないことがいくつかある:
昼も、夜も、
海でも、陸でも:
それは例えば、戦争だ

よりくわしい説明は、別のウェブページ(pdf)で見ることができました。

詩の解説(日本語)

466.ムナーリの生涯2026年03月19日 16:04

Antiquariumu Milano ブルーノ・ムナーリ
ムナーリの生涯について確認したいことがあって、あれこれウェブページを見ているたところ、日本語でかなり詳細にムナーリの生涯と各時代の仕事を説明しているページに出会いました。

Antiquariumu Milano ブルーノ・ムナーリ

イタリアのキッチン用品から書籍などまで、幅広く商品を紹介して注文ができるショップのサイトのようです。
日本語でアクセスできる情報源からだけではわかりにくいことまで紹介されており、もしかすると、イタリア語で作成された内容を現地の日本人スタッフが翻訳されているのかもしれません。

464.ミラノ・コルティナ・オリンピック開会式2026年02月20日 23:50

ミラノ・コルティナ・オリンピック開会式
2026年2月の冬季オリンピックは、ミラノ・コルティナで開催されました。
トリノ・オリンピック同様にミラノはいわゆるウィンタースポーツの町ではないのですが、開催地にミラノの名があるのは、アクセスと競技会場の便宜的な関係もあるのでしょうか。
ちょうど学術調査のためにイタリアに一週間ほど滞在している時期にオリンピックの開会式があり、その中ではムナーリの名を紹介しつつ、イタリア人のハンドジェスチャーを取り上げた一幕があったようです。
イタリアのムナーリ関係者の間でちょっとした話題になっていたので「ムナーリがあらためて世界に紹介された瞬間」ということで、取り上げてみました。

447. Bruno Munari Archivi2025年07月10日 19:39

Bruno Munari Archivi
「Bruno Munari Archivi」なるウェブサイトを発見しました。
どうやら最近になって立ち上げられたもののようですが、明らかにイタリアの公式なムナーリに関するアーカイブサイトです。

Bruno Munari Archivi

コミッショナーおよびパートナーのページに名を連ねているのは、ムナーリのお孫さんヴァレリアさんをはじめ、出版社のコッライーニはもちろん、ムナーリ研究者として高名なメネグッツォ、またムナーリの教育活動に関わってきたレステッリさん、デツァーニさん、スペラーティさんを含め怱々たる方々です。
あらためてイタリアでは新たなムナーリ研究の機運が、ムナーリと直接ご縁のあった人たちによって拓かれているのかも、と考えると期待が生まれます。。。

437.旅に出るSpazio Munari2025年03月09日 18:29

SpazioMunari
ミラノの中心からやや外れた、ポルタ・ジェノヴァ駅近くにあった「スパツィオ・ムナーリ」が閉店したそうです。
SNSによると「スパツィオ・ムナーリ」は今後ナポリ、ローマ、ボローニャなどに(テンポラリーに)出店するが、ミラノの実店舗は2025年2月末でクローズとのこと。
そもそもこのお店は15年前にマントヴァに本社がある出版社(とギャラリー)のコッライーニがミラノに進出して開いた三つのお店のうちの一つで、最後まで残ったお店(開店当初からときどき店を開けている、という感じでした)が、「スパツィオ・ムナーリ」と名前を変えてムナーリに関連したギャラリーショップとなったようでした。
「スパツィオ・ムナーリ」のウェブショップは継続するようなので、今後の動向を見守りたいと思います…。

433.ムナーリと禅(英文)2025年02月02日 13:31

ムナーリが東洋文化や東洋哲学に大きな感銘を受けていたことは、本人の残した文章や作品の中に明らかにされています。
前項で紹介したタンキスは論考の中でムナーリとパウル・クレーがいずれも禅の思想の影響を受けた芸術家であったと論じながら、唐代の禅僧の言葉を引用していましたし、アンドレア・ブランジも序文の中でムナーリに東洋哲学の精神をみていたようです。
イタリアではムナーリと東洋哲学の関係がどのように捉えられているかが気になり始めているのですが、そんな中、日本の生活用品などを扱うウェブストアにイタリア人によると思われる英文の「ムナーリと禅」(ムナーリと日本文化)を考察しているテキストを発見しました。

Nanban

ウェブショップの屋号?が「Nanban」というのが日本人からはいささか微妙ですが、取扱商品はどれもハイクオリティなもののようです。
上述のテキストではムナーリと日本の関わりについて、また柳宗理などとの交流についても詳しく触れられていて、かなり詳しくムナーリと日本の関係を知っている人によるものかと思いますが、「Azalea Seratoni」なる筆者についてはいまのところ何も分かっていません…

431.訃報2025年01月22日 22:51

2025年1月13日、ジュネーブにお住まいだった、ブルーノ・ムナーリ氏(同名のお孫さん)が享年53歳で逝去されたそうです。ミラノから届いた知らせによると、本日1月22日にご葬儀がジュネーブで執り行われるとのこと。

偉大な祖父と同じ名前をもったムナーリ氏は父アルベルト氏がジュネーブ大学の教授でしたので、ほぼスイスの人として生まれ育ち、病を得て亡くなったということのようです。
ムナーリ氏にはヴァレリアさんという姉妹がいて、この方が現在祖父ムナーリの相続者ということのようですね。

ご冥福をお祈りします。

423.レオ・レオーニとムナーリ2024年10月25日 21:16

「レオ・レオーニと仲間たち」展
2024年11月9日から2025年1月13日まで、板橋区立美術館では「レオ・レオーニと仲間たち」展が開催されます。

「レオ・レオーニと仲間たち」展

レオーニといえば『スイミー』や『フレデリック』などの絵本が日本でも世代を超えて愛されている人気の作家ですが、レオーニにはアーティストやデザイナーとしての輝かしいキャリアがあります。
レオーニはムナーリと同世代で、二十代の頃には後期イタリア未来派として同じ芸術グループの仲間でもありました。
その後はそれぞれデザイナーとしてイタリアとアメリカで活躍し、時には旧交を暖めていたようです。
421のコラムで紹介した「ムナーリのフォーク」とレオーニの関係などはその時代のエピソードですね。

今回の展覧会に合わせて、レオーニとムナーリの関係についてすこしだけお話させて頂く機会を頂きました。

レオ・レオーニと仲間たち展 関連イベント

422.作品集『BRUNO MUNARI』復刻2024年09月27日 16:50

『BRUNO MUNARI』(アルド・タンキス編)
今年はイタリアにおけるムナーリの「当たり年」のようで、3月からパルマで開催された過去最大規模の回顧展に続いて、1987年に出版されたムナーリの作品集『BRUNO MUNARI』(アルド・タンキス編)が復刻・再版されたとのニュースが届きました。
おそらく、大幅に旧版から改訂されて内容が充実していることでしょう。
出版社はコッライーニ社に変わったようです。

amazonイタリアでも航空運賃を追加すれば注文可能なようですが、おそらくコライーニ社のHPからでも注文できるのではないかと思います。
なおイタリアでは再販を記念した編者タンキスによる出版講演会が各地で開催されている由、そのうちにYouTubeなどに動画が上がることを期待するこの頃です…。

420.追悼 松岡正剛さん2024年08月21日 19:37

「編集工学」という新たな視点を世に発信しつづけた松岡正剛さんが2024年8月12日逝去されたそうです。享年80歳とのこと。
以下「時事通信」の8月21日記事を引用します。

「編集工学」を提唱して編集者、著述家として多方面で活躍し、独自の視点で日本文化を論じた松岡正剛(まつおか・せいごう)さんが12日午後1時53分、肺炎のため東京都の病院で死去した。80歳だった。京都市出身。

松岡さんは2009年に、ご自身のblog「千夜一冊」でムナーリの『モノからモノが生まれる』<をタイトルにしてムナーリについてくわしい記事を書かれていました。

千夜一冊1286夜『モノからモノが生まれる』

ご冥福をお祈りします。
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イタリアの芸術家+デザイナー+教育者、ブルーノ・ムナーリのことなどあれこれ。
こちらにもいろいろ紹介しています(重複有)https://fdl-italform.webnode.jp/

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