396.パルマの僧院で2024年02月22日 21:05

パルマ大学視覚伝達研究センター(CSAC)
一つ前のトピックで紹介したイタリア・パルマの展覧会を、イタリアで会った方々のご厚意で見ることができました。
厳密にはムナーリ個人の展覧会ではなく、パルマ大学視覚伝達研究センター(CSAC)のアーカイブ・コレクションを元にした20世紀のアートとファッション、デザインなど領域をまたいだ企画展でした。その中にムナーリの作品も複数展示されていた、ということです。
ムナーリは自身のデザインワークに関する資料の多くをCSACに寄贈していたようです。
会場はパルマの市街からかなり離れた郊外にぽつんとたたずむ古い大きな教会跡で、説明によるとスタンダールの小説『パルムの僧院』とも関係があるとか。

397.ベバ・レステッリさん2024年02月24日 19:30

ベバ・レステッリさん
1980年代からムナーリの教育ワークショップの協力者として活動し、ムナーリの教育に関する多くの著書を書かれているベバ・レステッリさんに、ミラノで会うことができました。
本ブログを始めた頃、青山こどもの城でムナーリ展が開催され、その際に来日されたレステッリさんの講演を聴いた記録が残っているのですが当時はムナーリの教育活動について知識がなさ過ぎて内容の理解に至りませんでした。
その後デザインから教育の世界に身を移して、教育者としてのムナーリを中心に調べるようになり、レステッリさんの著作からは多くの学びを得ています。
今回(2024年2月)のイタリア行きでは、直接レステッリさんご本人に会って意見を交わすことができ、またレステッリさん以外にもムナーリと深い縁のある方々と交流することができました。

398.史上最大のムナーリ展(イタリア)2024年02月25日 17:39

史上最大のムナーリ展
先日のイタリア滞在中に話は聞いていたのですが、2024年3月16日から6月30日まで、イタリアでは過去最大級のムナーリの回顧展が開催されるそうです。
Mostra Munari a Fondazione Magnani-Rocca, 2024
https://www.magnanirocca.it/
パルマ郊外にあるマニャーニ・ロッカ財団という歴史的建造物を改装した会場で、展覧会の監修をムナーリ研究の第一人者であるマルコ・メネグッツォによって、芸術からデザイン、書籍、教育活動までムナーリの多彩な活動を可能な限り網羅したものになる、とのことです。

399.ムナーリの教育玩具資料(1977)2024年02月26日 17:46

2024年2月のイタリア調査で、2023年アキにミラノにオープンした「スパツィオ・ムナーリ」を訪問することができました。
いずれ別のトピックとしても紹介したいと思っていますが、ギャラリーショップのような空間の一角には世界各国でこれまで開かれたムナーリの展覧会カタログなどが閲覧できるようになっています。 (その中には日本での展覧会資料もしっかり備えられていました)
個人的に、大きな収穫だったのはムナーリがダネーゼ社のためにデザインした教育玩具シリーズに関する講演会資料があったことです。
1977年といえばムナーリがミラノのブレラ美術館ではじめて子どものための大きなワークショップを実現した年でもあり、この時期からムナーリがどれほど真剣に子どもの創造性教育に関わろうとしていたかを伺うことができます。
ムナーリ自身はこの講演会でスピーチしていませんが、教育学者でコラボレーターだったベルグラーノ、息子で認識論学者のアルベルト氏の他にも現在も現役でミラノ・ビコッカ大学と附属幼稚園での指導にあたっているスザンナ・マントヴァーニ教授などがムナーリのデザインした教育玩具と子どものアクティビティについて論じているようです。
これから、写し取ってきた内容をじっくりと分析していこうと思っています。

400.ベバ・レステッリさんの新刊『ひもであそぼう』2024年02月29日 22:40

1980年代からムナーリの指導のもと子どものためのワークショップをおこなってきたベバ・レステッリさんにミラノでお会いしてきました。
これまでベバさんの著書をいくつか手に入れ、特に数年前からは彼女の最初の著書だという『触覚であそぼう(GIOCARE CON TATTO)』を読み込むことでムナーリの教育の研究をまとめてきたので、初めて直接お会いするのに初めてではないような不思議な感じでしたが、日本からやってきた見知らぬ日本人を温かく迎えてくださいました。
ちょうどミラノに着いた翌日、市内の書店でベバさんの本を発見したのですが、これが昨年出版されたばかりの新刊でした。
『ひもであそぼう(GIOCARE CON I FILI)』というタイトルで、糸やヒモの特性を活かしてどんな表現が生み出せるか、という子どもの発想を広げてくれる色々な事例が紹介されているようです。
ベバさんによるとこれまでに7冊ほど、ムナーリの教育とワークショップに関する本を書かれた由、いずれ日本でも読めるようになる日が来ることを願っています。
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イタリアの芸術家+デザイナー+教育者、ブルーノ・ムナーリのことなどあれこれ。
こちらにもいろいろ紹介しています(重複有)https://fdl-italform.webnode.jp/

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