211.イタリアのムナーリ展2007年09月27日 04:34

http://www.munart.org/(イタリア語サイト)

いよいよイタリアでもムナーリの生誕100年記念展覧会がスタートするようです。10月24日から来年2月まで、ミラノで大回顧展がRotonda della Besanaにて開催とのこと。行きたいですねえ...

209.紙(i laboratoli tattili-翻訳05)2007年02月20日 11:20

 全ての平らな素材のなかで、紙はもっとも色々な実験や体験を得られる素材です。 紙はどのようにとりあつかうか(手を加えるか)によって色々な触感を生み出すことができます:普通はすべすべかざらざらですが、もしもくしゃくしゃにして伸ばしたら、触感は大きく変化します。切り刻んだり、丸めたり、規則的、あるいは自由に折りたたんだり、穴を開けたり、濡らしたり、紙ヤスリでこすったり・・・  紙は様々に変化する表面を持った皮膚のようなものです。

208.イタリアの具象美術(展覧会)2007年02月12日 09:38

「イタリアの具象美術」展

今年はムナーリの生誕百年と言うことで、イタリアでも大きな回顧展が企画されているという情報を入手しましたが、これとは別に、現在ミラノで「イタリアの具象美術」(大聖堂脇のparazzo reale美術館にて)という展覧会が開かれています。記事を見る限り、これはムナーリが参加していた「MAC」の活動に参加した芸術家を中心とした展覧会のようですね。四月に出張するまではやっていないだろうなあ・・・

207.へこみとでっぱり(i laboratoli tattili-翻訳04)2007年01月29日 10:36

へこみとでっぱり  凹凸に関する触覚は、柔らかい素材(粘土のような可塑性の材料)をつかって感じ取ることが出来ます:表を向けたスプーンと裏を向けたスプーン、型を使ってつくった形と元の型、などなど。

206.触覚と形(i laboratoli tattili-翻訳03)2007年01月12日 11:58

 私達がもっともなじみ深い、視覚によるコミュニケーションでも、見ることと触ること、視覚と触覚は混ざり合いながら用いられています。  視覚による印象から解放されて、触ることの意識を高める一つの方法は、こどもたちに同じ形の異なる触感をもったものを集めて与えてみることです。  例えば、丸い素材だったら:オレンジ、ビリヤードの玉、ゴムボール、木の玉、石の玉、毛糸の玉、布の玉、革の玉、などなど。  素材の形は重要ではなくなって、様々な素材に対する触感がより際立ってくるはずです。

205.触覚主義(i laboratoli tattili-翻訳02)2007年01月05日 19:23

 1921年のパリでF.T.マリネッティは触覚を伝達と感覚の媒体とした芸術運動を目指して「触覚主義(Tattilismo)」を提唱した。彼はパネルに様々な触感の素材を貼り付け、オブジェを触りながら「作品を読む」順序を定めた最初の「触覚のタブロー(tavola tattile)」を作った。  この、未来派による触覚のマニフェストで、マリネッティはいくつかの触感的価値のレベルに注目した。第一のカテゴリーには、紙ヤスリやホイルのような素材から得られる、確かな触感、抽象的な触感、冷たい触感をグループとした。  第二のカテゴリーでは、なめらかな絹やクレープ(ちぢみ)のような、温度を感じない、理性的で説得力を感じさせる触感を、第三のカテゴリーでは、刺激的でなま暖かく、ノスタルジーを呼び起こす、ビロードやウール、綿と絹を混ぜたクレープのような触感を分類した。  第四のカテゴリーでは、触覚を刺激するような、ひりひりする触感、熱く、強さを感じさせる触感、粒々した絹や網、スポンジ状の素材の触感を選んだ。  第五のカテゴリーでは、スエード革や馬や犬の毛皮、人やハゲコウ(鳥)の肌のようにあたたかく、柔らかくて人間的な触感を、最後に第六のカテゴリーでは、あたたかみがあり元気で感情豊かな触感、素材で言えばざらざらした金属、柔らかいブラシ、スポンジ、金属のブラシのような触感を分類した。  その他のグループには鳥の毛(羽)、肉や魚のうぶ毛(鱗)などが含まれた。これらの素材によってマリネッティは「触覚のタブロー」を構成し、「触覚の芸術」という講演会で公に発表をした。  触覚主義のマニフェストの中で、マリネッティは異なる素材を使った実験による、触覚の学習を提案している。彼は作品の目的が散漫にならないよう、また触覚以外の要素へ注意が逸れないように、「触覚のタブロー」に彩色しないよう提案した。  触覚主義は詩人、音楽家、タイピストのような人々、またエロティックな、優雅な、力強い性質(の人々)に適したアート(芸術表現)だと断言することが出来る。

201.ムナーリと武満徹2006年05月03日 10:37

ひさしぶりの更新です。現在書店に並んでいる「芸術新潮」5月号の特集が「はじめての武満徹」というテーマですが、この中にムナーリが贈った「読めない本」やそれに触発されて武満が作曲した「ムナーリ・バイ・ムナーリ」の楽譜(オブジェ)などが紹介されています。

198. 本と金槌2006年03月18日 18:26

a proposito di terroni con un martelllo

(訂正)ムナーリは「a proposito di torroni con un martelllo」(トッローネについて・金槌つき)という不思議な本を1996年に出しています(トッローネというのは石のように硬いお菓子です)。なにが不思議かというと、タイトルにある「金槌」が本当に付録についている本なのですね。どうやって書店に並べたのでしょう。ムナーリは「例えば、本の中になにかサプライズがあると、こどもたちは『本というのはびっくりするような、面白いものだ』という第一印象を持つだろう。そしてその、本が面白いものだという印象はこどもが大きくなってもどこおかに残っているに違いない」と語っていますが、まさに「本にサプライズを仕掛けてみた」と言うことでしょうか。 (追記)2007年12月に開催された板橋区立美術館のムナーリ展に実物が展示されていました。本の表紙をめくると中にはページがなく、金槌だけが入っています。これでお菓子を割って食べよう、ということだったのでしょうか?ちなみに、最初にこの記事をアップしたときは「torrone(トッローネ)」と「terrone(イタリア南部の蔑称)」を読み違えて紹介してしまいました。お詫びして訂正します。

197. 火星人だ!2006年03月17日 20:34

Li marziali!, 1966

1966年の作品だそうですが、「火星人だ!」というものがあるそうです。ご紹介している1カットしか資料が見つからなかったのですが、どうやら本(絵本)ではなくグラフィックワークのようですね。スケッチとコラージュによる作品ということです。ムナーリは「未来派」だけあって、SFも好きだったのではないかと思います。

193. 謎の展覧会2006年03月13日 20:40

国立近代美術館(現在)

銀座グラフィックギャラリーから発行された(1995)ムナーリの作品集を見ていると、「1950年東京国立近代美術館で「偏光」を用いた映写シリーズ作品の展覧会開催」とありました。このころすでにムナーリは日本と接点があったのでしょうか?これまでムナーリの日本での最初の展覧会は64年伊勢丹での個展かと思っていましたが、いまのところ展覧会の実態も作品についても(制作時から考えておそらく「Proiezione diretta」でしょう)未確認です。どなたかご存じですか?

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イタリアの芸術家+デザイナー+教育者、ブルーノ・ムナーリのことなどあれこれ。
こちらにもいろいろ紹介しています(重複有)https://fdl-italform.webnode.jp/

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