248.mai contenti(ムナーリの仕掛け絵本「ぞうのねがい」) ― 2010年02月16日 00:09

ムナーリの仕掛け絵本シリーズの一つ「mai contenti」はその昔「ぞうのねがい」という題名で邦訳されていたようです。調べてみると図書館で収蔵してあるところがありそうなのでそのうち調べようと思いますが、とりあえず自分なりに内容を翻訳してみました。 「mai contenti」 ぞうはおおきくて重たいからだでいるのにくたびれて、ほかのいきものになりたいと思いました。/ ぞうはなにになりたかったのでしょう?/ そらを飛んで、きれいなこえで歌う鳥になりたいと思ったのです。/ でも、鳥は飛んだり歌ったりするのに飽き飽きして、ほかのいきものになりたいと思いました。/ 鳥はなにになりたかったのでしょう?/ 水の中を泳ぎ回る魚になりたいと思ったのです。/ ところが魚は水の中を泳ぐのにくたびれて、ほかのいきものになりたいと思いました。/ 魚はなにになりたかったのでしょう?/ いつまでも砂や岩の上で動き回っている、とかげになりたいと思ったのです。/ でもでも、とかげはいつまでも砂や岩の上で動き回っているのがいやになって、ほかのいきものになりたいと思いました。/ とかげはなにになりたかったのでしょう?/ 大きくてしずかで、おまけにいつでも虫がよってくる牛になりたいと思ったのです。/ はてさて、牛は牛でいるのに退屈して、ほかのいきものになりたいと思いました。/ 牛はなにになりたかったのでしょう?/ もっともっと大きくて、りっぱな鼻ときばのある、ぞうになりたいと思ったのです。/ それでもやっぱり、ぞうはほかのいきものになりたいと思っていましたとさ。/
245.ムナーリの機械 ― 2009年10月31日 17:33

243.きりのなかのサーカス ― 2009年09月16日 18:47

なんと、またまたムナーリの本が出ました。 かつて邦訳で出版されたことがありますが今では希少本になっていた「きりのなかのサーカス」の新訳本です。出版はフレーベル館だそうです。 http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8D%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9-%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%A0%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AA/dp/4577036975 ページにトレーシングペーパーを使って霧の中の見えるような見えないような雰囲気を表現したり、デザイン的にも素敵な本です。 子どものプレゼントにするには、ほんのすこし勇気がいる値段かもしれませんが、手の込んだ本の作りを考えれば手頃な値段でムナーリの絵本が再び楽しめるようになったことを喜ばなくてはなりませんね。 訳はなんと谷川俊太郎。生前のムナーリともしかして面識があったのでは、と思ったのですが、内容を見る限りでは分かりません。
235.ミラノのコッライーニ ― 2008年06月12日 23:11

4月に仕事でミラノを訪れた際に、ムナーリの書籍やアイテムを次々復刻しているコッライーニのお店がミラノに出来たらしいと聞いて言ってみました。最近日本でも知られるようになった国際家具見本市の期間に併せてのオープンだったようですが、お店で話を聞くと「ずっとやってるよ」とのこと。そろそろ日本にも入ってきているのではないかと思いますが、復刻なったばかりの名作「プラス・マイナス」が平積みになっていました。
227.「なまけものの犬のしっぽを動かす機械」(ナンセンスの機械) ― 2007年12月27日 22:34
217.ムナーリと須賀敦子 ― 2007年11月05日 13:51

ムナーリの「木をかこう」「太陽をかこう」の翻訳者が、「コルシア書店の仲間たち」「ミラノ・霧の風景」の著者、須賀敦子さんなのですが、ムナーリの本を訳したころの須賀さんはまだ作家として作品を発表していない、翻訳家・教育者として活動されていた時代と思います。須賀さんの「遠い朝の本たち」(ちくま文庫)を読んでみると、解説を書いている末盛千枝子さん(彫刻家・船越桂の実姉)が「木をかこう」「太陽をかこう」を日本で出版した至光社に勤めていた1967年頃に須賀さんと知り合った、と書いています。ムナーリと須賀さんは同じミラノに生きていた時代があり、どこかで直接の接点があったかもしれませんが、もし接点があったとすれば恐らく須賀さんが日本で翻訳の仕事を再開(イタリアでも日本文学の翻訳をしていた)した後ではないでしょうか・・・
167. 「みんなおやすみ」(ムナーリの仕掛け絵本) ― 2006年02月15日 21:50

164. 見つめてみよう(ムナーリの絵本) ― 2006年02月12日 19:04

「Guardiamoci negli occhi(瞳の中の自分を見つめてみよう)」というタイトルの本?です。表紙を開くと、本がパッケージ状になっていて中のページはすべてバラバラにできるようになっています。どのページにもいろいろな顔があって、いろいろな顔(表情)を自分流に遊べる「プラス・マイナス」にも似たアイディアの一冊です。1970年に限定出版された後、現在はコッライーニ社の復刻版が入手可能です。
160. ムナーリの絵本 ― 2006年02月08日 22:41

モンダドーリ社によるムナーリの仕掛け絵本のうち、当時企画されながら出版に至らなかった一冊だそうです。以前ご紹介した同じシリーズの一冊に「緑の手品師」という本がありましたが、これは「黄色い手品師」というタイトルです。やはりページの中に小さなページがたくさん仕掛けられてお話が進むようになっています。現在はコッライーニ社より出版されています。
156. 緑の手品師(ムナーリの仕掛け絵本) ― 2006年02月04日 20:41

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