123. 絵本/フトン? ― 2006年01月02日 16:03

ムナーリの絵本作りの発想は、いわゆる二次元の本を作る感覚とは全く異なるところから始まっていると思います。ムナーリの本(絵本)を数多く復刻・出版しているコッライーニ社のマルツィアさんも「ムナーリは印刷物としての本をデザインしていると言うより、伝えるべき内容に合わせた素材を選んで絵本を作った」ということを言っていましたが、ご紹介している「本/フトン」(libro letto)もまさにアイディアが素材を選んだ好例だと思います。これは「絵本」(縁の部分にテキストが印刷されています)ですが、きれいな色地の布でくるまれたクッションのようなもので、広げたり畳んだり組み立てたり、本として「読む」以外にも「立体おもちゃ」として遊べるようになっています。「libro letto」(イタリア語)は直訳すると「本/フトン」ですが、「読んだ本」という掛詞にもなっているようです。
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