421.「ムナーリのフォーク」とレオ・レオーニ2024年09月02日 10:42

ムナーリのフォーク
レオ・レオーニの研究家であり板橋区立美術館の館長、松岡希代子さんの『レオ・レオーニ 希望の絵本をつくる人』の中に、面白いエピソードが紹介されていました。
ムナーリがイタリア人のハンドサインをフォークで表現した作品が生まれるきっかけを作ったのがレオーニだった、というお話です。

『レオ・レオーニ 希望の絵本をつくる人』

このエピソードは、『ムナーリのフォーク(Le forchette di Munari)』の巻頭に英語で紹介されています。

At this restaurant, Leo Lionni told me one day that he was starting a new magazine, and asked me to contribute something for first issue. Ot was thanks to him that the cartoons variations on the forks came to life.

(NYの)レストランで、ある日レオ・レオーニは新しい雑誌を発刊すること、私にもその雑誌へ何か寄稿してくれないかと私に話してくれた。これが「ムナーリのフォーク」たちが生まれるきっかけになった。

ムナーリは他にもイタリア人のハンドサインについてまとめた『イタリア語辞典別冊(Supplemeno al dizionario italiano)』という本を作っています。
『ムナーリのフォーク』が本になったのは1991年(レオーニの雑誌はそれより前の1956年)のことですから、レオーニがNYでムナーリに声をかけたことで『ムナーリのフォーク』が生まれ、また『Gesti(ジェスチャー)』(1994年)が生まれるきっかけとなった、ということのようです。
ムナーリとレオーニは青年時代、短い期間ではありますがイタリア未来派の芸術運動に同時期に参加していた古い友人同士でもありました。

本稿の内容とは関係がないのですが、ふと思いついて調べてみたところ、本blogは、ちょうど20年前の今日から始まっていました…
追記:幾つかの本の初出年に誤りがあったようなので修正しました(2024年11月末)。

422.作品集『BRUNO MUNARI』復刻2024年09月27日 16:50

『BRUNO MUNARI』(アルド・タンキス編)
今年はイタリアにおけるムナーリの「当たり年」のようで、3月からパルマで開催された過去最大規模の回顧展に続いて、1987年に出版されたムナーリの作品集『BRUNO MUNARI』(アルド・タンキス編)が復刻・再版されたとのニュースが届きました。
おそらく、大幅に旧版から改訂されて内容が充実していることでしょう。
出版社はコッライーニ社に変わったようです。

amazonイタリアでも航空運賃を追加すれば注文可能なようですが、おそらくコライーニ社のHPからでも注文できるのではないかと思います。
なおイタリアでは再販を記念した編者タンキスによる出版講演会が各地で開催されている由、そのうちにYouTubeなどに動画が上がることを期待するこの頃です…。
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