463.絵本講座「ムナーリの子どものための教育とさわる本」2026年01月30日 14:23

「ムナーリの子どものための教育とさわる本」
2026年1月25日に板橋区立美術館で「ムナーリの子どものための教育とさわる本」をテーマに、一日講座の講師を務めてきました。美術館のHPにはさっそく講座のレポートを紹介して頂きました。

絵本講座「ムナーリの子どものための教育とさわる本」レポート

参加者のみなさんは絵本作家やイラストレーターから大学生まで幅広く、板橋美術館が研究と紹介に注力している「触る絵本」に深い関心をお持ちの方ばかりでしたが、今回は特にムナーリの本作りの特徴と、ムナーリが晩年取り組んだ子どものための教育について、イタリアの幼児教育事例と比較しながらお話しさせて頂きました。
講座の中でスライドレクチャー以外に体験的な遊びや絵本の素材作りなどにも取り組んで頂いたのですが、限られた時間の中でそれぞれの方の発想や個性が感じられる表現を見ることができました。

また、イタリア教育研究の先達として尊敬する故田辺敬子先生とご縁の深い参加者にお声をかけて頂くことができました。

461.板橋区立美術館での「触る絵本」講座(2026.1.25)2025年12月24日 09:35

「ムナーリの子どものための教育とさわる本」
以前からいろいろご縁のある、板橋区立美術館で「ムナーリの子どものための教育とさわる本」をテーマに、一日講座の講師を務めることになりました。

絵本講座「ムナーリの子どものための教育とさわる本」

開催は2026年1月25日(日)、参加募集人数は多くありませんが、ムナーリやイタリアの創造的な教育のご紹介と、触る絵本作りのヒントになるようなワークショップを準備しています。

参加お申し込みは

1月7日(水曜日)朝9時より電話にて先着(03-3979-3251)

とのこと。
1件のお申し込みにつき、2名まで受付けだそうです。

460.ムナーリと出版社2025年12月12日 18:29

TOKYO ART BOOK FAIR 2025
東京都現代美術館で開催された「TOKYO ART BOOK FAIR 2025」の会場でイタリアのコライーニ社から来日したフランチェスコ・コスタさんの講演を聴いてきました。
内容は主に1970年代後半から最晩年まで続いたコライーニ社とムナーリの関わりと、コライーニ社が復刻しているムナーリ最初期の絵本「1945シリーズ」の紹介でした。

ムナーリと出版社の関わりを調べてみると、それぞれ時代ごとにムナーリには彼のアイデアと才能を理解する出版社との出会いがありました。 ムナーリが最初に出版デザインを手掛けたのは1929年アンブロジャーナ社の絵本『ワシのひな』の挿絵だった、とムナーリの書誌研究者マッフェイがまとめています。
ムナーリは戦前から戦中にかけてモンダドーリ社のアートディレクターとして働き、「1945シリーズ」の絵本もオリジナル版はモンダドーリ社から出版されています。
戦後、1960年代にはエイナウディ社との仕事からロダーリとのコラボレーションが始まっています。またムナーリが企画監修した新しい子供のための本のシリーズ「タンティ・バンビーニ」もエイナウディ社での企画会議から生まれたとのこと。
また1960年代から晩年にかけて、教育に関する著書はラテルツァ社とザニケッリ社によるものが多いようです。
その他にも、出版社というより工業製品のメーカーですが、ダネーゼ社とのコラボレーションによって数々の生活用品とともに「プラス・マイナス」のような教育玩具や、「プレリブリ」のような画期的な「子どものための本の形をしたオブジェ」が世に送り出されました。
1970年代後半、マントヴァで現代美術の画廊を運営していたコライーニ社との仕事が始まり、コライーニ社はアート系出版社としてムナーリ晩年のもっとも緊密な協働のパートナーとなりました。
ムナーリが過去に発表した著書の復刻も多くはコライーニ社が手がけるようになり、没後の肖像権管理や著作権についてもコライーニ社が大きな役割を持っていると聞いています。

イタリアでは、デザイナーが企業のトップと直接やり取りをしながら仕事をするケースが少なくありません。この傾向は家具やプロダクトデザインに顕著ですが、出版デザインについても、少なくともムナーリは各出版社の経営者から厚い信頼を得て、それぞれの出版社に合わせた提案を行なったものと考えられます。

455.TOKYO ART BOOK FAIR 20252025年10月24日 20:39

Toc toc. Bruno Munari 1945: dentro i libri!
2025年12月、「TOKYO ART BOOK FAIR 2025」というイベント?が東京都現代美術館で開催され、そこではゲスト・カントリーとしてイタリアからコライーニ社が展示参加する、という告知を見つけました。

TOKYO ART BOOK FAIR 2025
会場:東京都現代美術館


Toc toc. Bruno Munari 1945: dentro i libri!

ムナーリが1945年に発表した最初のしかけ絵本シリーズを巨大化させて「絵本の中へ(dentro i libri)」に入る感覚を楽しめる展示のようですね。
同年のボローニャ絵本フェアで同様の企画展示があったと聞いているので、これがはるばる日本までやってくる、ということかもしれません。 会期が

Week 1
 12月11日(木)12:00-19:00 最終入場:18:30
12月12日(金)- 14日(日)11:00-18:00 最終入場:17:30
Week 2
 12月19日(金)12:00-19:00 最終入場:18:30
12月20日(土)- 21日(日)11:00-18:00 最終入場:17:30

ということで限られていますが、ぜひ足を運んでみたいと思っています。

440.ボローニャのムナーリ絵本展20252025年03月22日 10:13

2025年3月20日から、ボローニャの現代美術館でムナーリのしかけ絵本シリーズ「1945」にちなんだ展覧会が開催されているそうです。
折しもボローニャでは、日本でもよく知られている国際児童書フェアが開催されているとか。

MAMboボローニャ現代美術館 展覧会「トック・トック、ブルーノ・ムナーリの1945シリーズ:本の中へ!」
(※イタリア語/英語表示:ページの読み込みに時間がかかるようです)

美術館HPの説明を見て気づきましたが、ムナーリが初めて自ら手がけた絵本「1945シリーズ」の誕生から数えて2025年は80周年なのでした。 以下に展覧会概要案内を訳してご紹介します。

Dal 30 marzo al 22 aprile 2025, in occasione di Bologna Children's Book Fair e BOOM! Crescere nei libri 2025, la mostra Toc toc. Bruno Munari 1945: dentro i libri!, organizzata da Corraini Edizioni in collaborazione con il Dipartimento educativo MAMbo verrà ospitata presso lo stesso Dipartimento.
2025年3月30日から4月22日まで、ボローニャ国際児童図書展および「BOOM!本の中で成長しよう(Crescere nei libri) 2025」の開催に伴い、展覧会「トック・トック、ブルーノ・ムナーリの1945シリーズ:本の中へ!」がコライーニ社とMAMbo教育部の協力のもと、同教育部で開催されます。
L'esposizione, partendo dall’idea di libro-oggetto, di gioco e di interazione - concetti che sempre hanno guidato Munari nelle sue sperimentazioni sui libri per bambini - propone un percorso di esplorazione in cui la/il visitatrice/visitatore può entrare fisicamente nelle storie. Da Toc-toc a Mai contenti la riproduzione in grandi dimensioni dei libri o di parti di essi permette a grandi e bambine/i di sollevare botole, aprire porte e finestre dietro cui si nascondono animali e personaggi di ogni tipo, e da qui immaginare nuove storie.
ムナーリが子どもの本で試みた「本とオブジェ」「遊び」「インタラクション」というコンセプトから出発した、この展覧会では来場者が物語の中に物理的に入り込むことができる、探検のルートが提案されています。(会場には)『トック・トック』から『やになった』まで、絵本や絵本の一部が大規模に再現されているので、大人たちも子どもたちも仕掛け扉、動物やさまざまな登場人物が隠れている扉や窓を開けて、そこから新しい物語を想像することができることでしょう。
Bruno Munari si è dedicato alla storica serie dei Libri del ‘45 dopo la nascita del figlio Alberto. Fustelle, fori e disegni grandi ed eleganti invitano a un gioco di scoperte e ricerche, lasciando tutti appesi alle magie della carta e facendo di questa serie ancora oggi uno straordinario esempio di progettazione e design del libro.
Nove libri tutti identici per formato che raccontano storie diverse ma dove la narrazione e la creazione cartotecnica procedono di pari passo: un classico intramontabile che nel 2025 festeggia gli 80 anni dalla prima edizione senza perdere la sua potenza innovativa.
ブルーノ・ムナーリは息子アルベルトの誕生をきっかけに歴史的な「1945」絵本シリーズの製作に着手しました。型抜きや穴を活用し大きくエレガントなそのデザインは発見と研究の遊びを誘い、誰もが彼の紙の魔法に魅了され、このシリーズはブックデザインにおける驚くべき事例となりました。
9冊の本はすべて同じ判型で異なる物語を語っていますが、いずれも物語とペーパークラフトの創作が組み合わされています:2025年、この不朽の名作は革新的な力を失うことなく初版から80周年を迎えます。


開館時間
火曜日・水曜日: h 14.00 - 19.00
木曜日: h 14.00 - 20.00
金曜日・土曜日・日曜日・祝日: h 10.00 - 19.00
3月31日(月): h 14.00 - 18.00

439.ムナーリによる絵本シリーズ(Munari TTB展)2025年03月21日 08:33

Munari TTB
2025年3月20日からミラノの書店エル・ドードーではじまった展覧会「Munari TTB(Tanti Bambini)」のオープニングに参加されたイタリア在住のお友だちがオープニングの様子を知らせてくれました。
送っていただいた写真の中に、前回ご紹介した展覧会案内にあった「QRコードから、ムナーリが企画監修した絵本シリーズについて知ることができる」というQRコードを発見したので、さっそくのぞいてみました。

Mostra Tanti Bambini

いつまで閲覧可能なのか分かりませんが、この絵本シリーズにいつ、誰が作品を発表したのか、年表のかたちで観ることができます。

391.『遠くから見たら島だった』2023年11月22日 10:58

『遠くから見たら島だった』
ムナーリの本がまた一冊、邦訳で出版されるようです。
ムナーリが集めた石を見立ての手法で楽しむ本が『遠くから見たら島だった』という邦題で2023年12月に創元社から出るとのことです。
イタリア語の原題とほとんど同じ("Da lontano era un'isola")ですね。
https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=4812
amazonでも取り扱いページがありました。クリスマスのプレゼントによいかもしれません。

384.パオラ・アントネッリ、ムナーリとテクノロジーを語る2023年06月27日 10:12

東京都で最初に区立美術館として生まれた板橋区立美術館では、例年イタリア・ボローニャの国際絵本見本市(正確には児童書見本市、ということのようです)の入選作品原画展を開催しています。
今年もつい先日から会期が始まり、8月半ばまで世界各国の絵本作家の原画が楽しめるようです。
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001737/4001741.html

ムナーリのご縁で内覧会を拝見するチャンスがあり、あわせて頂いた2023年の図録を眺めていたところ、巻末にMoMA(ニューヨーク近代美術館)のパオラ・アントネッリのインタビューがありました。アントネッリはミラノ工科大学を経てアメリカでアートとデザインのキュレーターとして活躍している人物です。
「バオラ・アントネッリ(Paola Antonelli)ミラノエ科大学て学んだ建築家てあり、デザイン界の”ラ・バッショナリア(受難者、または情熱の花) ”。タイム誌による「世界で最も先見の明がある25人」に選出され、スミソニアン協会のナショナル・デザイン・アワードではデザイン・マインド賞を受賞。USアートディレクターズクラブに殿堂入りしたほか、AIGA (アメリカ・グラフィック・アーツ協会) 賞、 ロンドンデザイン賞、 ドイツデザイン賞など受賞歴多数。 1994年からニューヨーク近代美術館 (以下、 MOMA) のメンバーに加わり、 建築・デザイン部門のシニアキュレーターを務める。」

アントネッリは(数年前のミラノでの講演で)「ブルーノ・ムナーリなら、この現代世界でどんなことをしていただろう?」という問いに触れ、今回のインタビューで「ムナーリは、紙の本とオンラインプラットフォームを融合させるための能力を身につけていたに違いありません。あらゆるデジタルの可能性を発揮できるように、と。それから、おそらくAlも活用しようとするでしよう。」と付け加えていました。
アントネッリのムナーリ像は、ムナーリの停滞することのない創造性を言い表している、と思います。

365.「旅の彫刻」の本2022年10月16日 21:11

ムナーリの多くの本を現在も出版しているコッライーニ社から、面白い本が出ていました。
ムナーリの「旅の彫刻」という折り紙細工のような彫刻作品をアメリカのデザイナーDavid A. Carterが「飛び出す絵本」に仕立て直したものです。
国内で取り扱っているネットショップ「フィネサ・ブックス」から購入できたのですが、現在は品切れとのこと。

https://www.fineza-col.com/product/1582

コッライーニ社のウェブページから注文することもできそうです(英語でクレジット決済が可能です)。

https://corraini.com/en/le-sculture-da-viaggio-di-munari.html

340.「だれも知らないレオ・レオーニ展」2020年08月10日 09:30

板橋区立美術館で準備されていた「だれも知らないレオ・レオーニ」展ですが、新型コロナウイルスの感染拡大によりここしばらく会期未定となっていました。
最近あらためてHPを確認したところ、10月24日から来年はじめまでの会期と決まったようです。

「だれも知らないレオ・レオーニ」展

レオーニは以前本blogでも紹介しましたが,ムナーリと未来派(後期)芸術運動の仲間であり、ともにデザインと絵本の分野で活躍した人です。
絵本作家としてはムナーリをしのぐ人気ですが、私も子どもの頃から、他の仲間と違うかたちでみんなの役に立つ自由なネズミの「フレデリック」のお話が大好きでした。
<< 2026/01 >>
01 02 03
04 05 06 07 08 09 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

このブログについて

イタリアの芸術家+デザイナー+教育者、ブルーノ・ムナーリのことなどあれこれ。
こちらにもいろいろ紹介しています(重複有)https://fdl-italform.webnode.jp/

RSS