471. ムナーリとカスティリオーニの展覧会2026年05月30日 08:16

Achille Castiglioni e Bruno Munari insieme in una mostra dedicata al gioco
先日はミラノの二十世紀美術館でムナーリの展覧会が開催されていましたが、こんどは同じミラノ市内でインダストリアル・デザインの巨匠アッキーレ・カスティリオーニとムナーリの二人展が5月29日から来年の2月16日まで開催されるようです。

カスティリオーニとムナーリの遊び展

Achille Castiglioni e Bruno Munari insieme in una mostra dedicata al giocoというタイトルで、展覧会のテーマが「遊び」とのこと。
確かにこの二十世紀イタリアのデザインを代表する二人には、豊かな遊び心が感じられます。。。

467.ジャンニ・ロダーリの詩2026年04月04日 10:06

2026ミラノ・コルティナ冬季オリンピック開会式
2026年2月にイタリアで開催されたミラノ・コルティナ冬季オリンピックの開会式に、イタリア人のハンドジェスチャーがムナーリの名とともに紹介されたことを過去のトピックでご紹介しましたが、同じ開会式でムナーリの盟友とも言うべき作家ジャンニ・ロダーリの詩が紹介されていたようです。

2026ミラノ・コルティナ冬季オリンピック開会式

詩のタイトルは「Promemoria:覚え書き」といった言葉で、子どもの目線から、現代の暴力と強欲による戦争が各地で悲劇を起こしている状況に抗議申し立てをしているような内容になっています。ロダーリもまた第二次大戦下でファシズムに抵抗したレジスタンスの一人でした。

Ci sono cose da fare ogni giorno:
lavarsi, studiare, giocare,
Preparare la tavola, a mezzogiorno.
Ci sono cose da fare di notte:
chiudere gli occhi, dormire,
avere sogni da sognare,
orecchie per non sentire.
Ci sono cose da non fare mai,
né di giorno né di notte,
né per mare né per terra:
per esempio, la guerra.

毎日やるべき、いくつかのことがある:
体を洗うこと、勉強すること、遊ぶこと、
お昼に食事を準備すること。
夜にもやるべきことがある:
目を閉じて眠ること、
夢見るための夢を持つこと、
何も聞こえないように耳をふさぐこと。
決して、してはいけないことがいくつかある:
昼も、夜も、
海でも、陸でも:
それは例えば、戦争だ

よりくわしい説明は、別のウェブページ(pdf)で見ることができました。

詩の解説(日本語)

465.「ブルーノ・ムナーリ学校」再訪とムナーリの教育2026年03月13日 23:08

2026年2月に、パルマの「ブルーノ・ムナーリ学校」を再訪しました。
前回は2024年に初めてお邪魔したのですが、今回は日本の教育関係者のみなさんと一緒に学校の子どもたちと交流する機会も頂くことが出来ました。
二十名を超える私たち見学者に、学校の代表カソーリさん(ブルーノ・ムナーリ協会による「ブルーノ・ムナーリ・メソッドⓇの指導者認定を受けた方です)が「ムナーリの教育とは」というお話をしてくれたのですが、イタリアの教育者によるムナーリの教育の説明として、その内容の一部を業障解したいと思います。

Allora, intanto, il discorso di chiamarlo metodo. Vuol dire che è un modo per fare qualcosa. Che si può applicare a qualsiasi cosa. Tanto che diventa una visione di vita. E Bruno Munari diceva che era importante tenere vivo il bambino che c'è in noi. Perché il bambino nasce libero. Sono gli adulti che lo costringono in qualcosa. Gli danno limiti. E cercano di farlo pensare come pensano loro. Invece, con questo metodo, il bambino viene rispettato per quello che è. Ognuno nella sua diversità e nei suoi tempi e modi di apprendimento. Quindi il bambino non va riempito di nozioni, ma va accompagnato nel suo percorso. ...Per fare, per fare questo ci sono dei concetti molto importanti da rispettare. Il primo è sospendere i giudizi. Giudicare in italiano di solito ha una connotazione, un significato negativo. Vuol dire che quello che io penso di te non può cambiare. È come dire a un bambino: tu non sei capace e non sarai mai capace di fare questa cosa. Invece, sospendere i giudizi vuol dire che l'insegnante non deve pensare questo. Se vede che il bambino ha delle difficoltà. Non deve dare colpa al bambino. Ma deve trovare lui nuove strategie. Per portarlo dove pensa che possa arrivare. Perché per Munari non è importante il fine, ma il percorso.
なぜ彼は自分の教育をメソッド呼ぶことにしたのでしょうか。 つまりそれは、学びを得るために行う活動のひとつの方法である、ということです。 そしてその方法はあらゆる学びに応用できるものです。 それはものごとを見るための、ひとつの世界観になるのです。 ブルーノ・ムナーリが大切だ、と言ったのは、私たちが各々自分自身の中に子どものころの心を生かさせないといけない、ということでした。つまり私たちは大人になっても心の中に子どもの心を保つことが、とても大切だというのです。 なぜなら子どもは生まれながらに自由だからです。大人になるといろいろなものごとによって束縛され、限界を作ってしまいます。 私たち大人は、子どもたちにきまったやりかたで考えさせようとしがちです。 ですが、彼のメソッドでは、子どもはそのままに尊重されるべき存在なのです。 子どもそれぞれの多様性、それぞれのペースと学習方法において、です。 ですから、子どもたちは知識を詰め込まれるのではなく、学びのその道のりについてて見守られる、ということが、とても大切なのです。 これを実行するには非常に重要な概念を守る必要があります。第一に、判断を保留することです。イタリア語で「決めつける(Giudicare)」という言葉は、通常、否定的な意味合いやニュアンスを伴います。 それは、私が誰かについて考えていることが絶対不変だという意味です。それは子どもに「あなたにはこのことができないし、これからも決してできない」と言うようなものです。 一方、判断を保留するということは、教師が決めつけてはいけない、ということです。 もし子どもが何かについて困難に直面しているのを見かけたとしても、それは子どものせいではないのです。そこで必要なのは戦略を探すことです。戦略とは自分のたどり着きたいところへ行ける道を探すことです。ムナーリは目的に達することより、そのプロセスこそが大切だと考えていました。

この学校を訪れる前日まで、一行はレッジョ・エミリアの教育施設でレクチャーを受けていたのですが、両者の教育の根本にある考え方は非常に近いものだと感じました。
共通する理念を具体的に実現するやり方が、レッジョ・エミリアとムナーリではいくらか異なるのですが、このような比較研究も興味深いのではないか、と思っています。

461.板橋区立美術館での「触る絵本」講座(2026.1.25)2025年12月24日 09:35

「ムナーリの子どものための教育とさわる本」
以前からいろいろご縁のある、板橋区立美術館で「ムナーリの子どものための教育とさわる本」をテーマに、一日講座の講師を務めることになりました。

絵本講座「ムナーリの子どものための教育とさわる本」

開催は2026年1月25日(日)、参加募集人数は多くありませんが、ムナーリやイタリアの創造的な教育のご紹介と、触る絵本作りのヒントになるようなワークショップを準備しています。

参加お申し込みは

1月7日(水曜日)朝9時より電話にて先着(03-3979-3251)

とのこと。
1件のお申し込みにつき、2名まで受付けだそうです。

459.レステッリさんのワークショップの新たなサイト2025年12月02日 21:56

ムナーリのワークショップを継承し長年教育活動を行ってきたベバ・レステッリさんが自身の活動に関する資料を2024年ペル・レッジェレ財団に委託したことは過去のトピックでもご紹介しましたが、最近になってペル・レッジェレ財団による新しいウェブページ開設が進んでいることがわかりました。

BEBA LAB.

ホームページは公開されていますが詳細は準備中とのこと、今後の情報発信に期待しています。。。

415.子どものおもちゃのデザイン2024年05月16日 13:24

1979年パルマ大学が企画したムナーリの大規模回顧展に関連して、美術史家のアルトゥーロ・カルロ・クインタヴァッレ(パルマ大学教授)がムナーリにインタビューした記事を発見しました。
INTERVISTA A MUNARI di Arturo Carlo Quintavalle
クインタヴァッレ教授の質問は、ムナーリの芸術活動からデザインまで広く詳細なポイントをついた内容で興味深いのですが、その中から「子どものおもちゃのデザインにとって大切なことは?」という問いとムナーリの答えを紹介してみます。

クインタヴァッレ教授の質問
Qual'è secondo lei il modo corretto per affrontare il problema della progettazione del giocattolo in relazione agli schizzi del 1952 per il gatto flessibile?
1952年の柔軟なネコのポーズのドローイング(※後に発泡ゴム製の玩具「ガット・メオ・ロメオ」として具体化された)に関連して、玩具デザインの課題にアプローチするための正しい方法は何だと思いますか?

ムナーリの返答:

Il modo più corretto di affrontare il problema della progettazione di un giocattolo, è quello di immedesimarsi nella natura infantile. Considerare ciò che un bambino può aspettarsi da un giocattolo. E siccome il bambino è di fronte al mondo in modo globale, non si può progettare un giocattolo solo bello da vedere, senza preoccuparsi che sia anche piacevole da toccare, che abbia un giusto peso, che sia modificabile, trasformabile, smontabile, componibile. E poi che il materiale usato non sia tossico, che non ci siano troppi spigoli o punte, che costi il meno possibile. Meglio ancora è insegnare ai bambini a costruirsi i giocattoli.
玩具をデザインする課題に取り組む正しい方法は、子どもの性質に共感することです。子どもはおもちゃに何を期待するのかを考えることです。そして子どもは多様(グローバル)な方法で世界と向き合っているのですから、視覚的に美しいだけの玩具をデザインすることはできません。そして使用されている素材が無害であること、角や尖った部分が多すぎないこと、できるだけ製造コストがかからないことです。もっとも良いのは、子どもたちに自分でおもちゃを作ることを教えることでしょう。

413.「ミラノの町を語ろう」2024年05月07日 11:38

ムナーリのお弟子さんであるデツァーニさんが紹介してくれた、ボルトーニさんという方は、アメリカの子どもミュージアムでキャリアを積んで現在はミラノで子どものための文化活動の団体をたちあげられています。
innovActionCult
2024年5月7日、ボルトーニさんのSNSで「Racconti Straordinari di Citta':町の特別を語ろう」というイベント?の発表がありました。ミラノ市内の学校などに町を知る/探検するきっかけとなるデザイン冊子が配布されるそうです。
その中にはミラノ生まれの芸術家/デザイナーとして、ムナーリのことも紹介されているようです…
サイトは現時点でイタリア語オンリーのようで、リリース直後のせいか内容確認にちょっと時間がかかりますが、子どもたちに自分の暮らす町や地域について興味をもってもらう取り組みは、日本の地域教育ともつながるように思います。
Racconti Straordinari di Citta'

408.レステッリさんの新刊イベント@ミラノ2024年04月02日 10:52

出版イベント
2024年2月にミラノでお会いしたムナーリのお弟子さん、レステッリさんが昨年上梓された、ムナーリのメソッドによるワークショップの本の最新刊「ヒモで遊ぼう(GIOCARE CON FILI)」の出版イベントが4月4日におこなわれるそうです。
著者レステッリさんと、ミラノ・ビコッカ大学のズッコリ教授によるトークがあるとのこと。
パルマのムナーリ展ともども行きたいのはやまやまですが…(泣)

402.モジュールの玩具1977-20242024年03月05日 22:24

モジュールの玩具1977-2024
2024年2月13日にヴェローナのチルドレンズ・ミュージアムを訪問しました。
Children's Museum Verona
https://www.cmverona.it/en/
このミュージアムはミラノやジェノヴァ、ローマの子どもミュージアムと協力して2020年3月にイタリアで新型コロナウイルスのパンデミックが発生した緊急事態の中で「子どものための新型コロナウイルスを知る絵本」を世界中に向けて、いち早く発信したところです。
施設や運営内容もとても興味深かったのですが、帰り際にお土産に頂いた、プラスチックの小さなモジュールを組み合わせて色々な構造が作れるおもちゃを日本に持ち帰り、ふと偶然にムナーリの名著『ファンタジア』を開いてみたら全く同じものが紹介されていることに気づいてびっくりしました。
もしかすると、イタリアでは昔からポピュラーなおもちゃなのでしょうか…?

393.「猫のメオ・ロメオ」について2023年12月17日 10:24

ムナーリのデザインした猫のおもちゃ「メオ・ロメオ」について、ピレッリのアーカイブらしきウェブページにムナーリ本人による説明をみつけました。
「発砲ゴムとナイロンのヒゲをもった猫のメオ・ロメオ(Gatto Meo di gomma piuma ha i baffi nailon)」
Pirelli RIVISTA D’INFORMAZIONE E DI TECNICA
https://www.rivistapirelli.org/en/book/umanesimo-industriale/
猫がやわらかく、なめらかで、清潔で、いろいろな体勢にさせてもフィットし、どこにもおしっこをせず、毛づくろいをする必要もなく、餌をやる必要もなく、そして例えば、ナイロンのひげがあれば、これ以上何を望むべきだろう?実際、メオ・ロメオに足りないものは何か?彼に足りないのは声で、それは承知しているが、モナリザだって同じ事だ。モナリザは触っても柔らかくないし、動かないし、振り向かせることもできない。 メオ・ロメオは、現代の子どものためにデザインされた新しい発砲ゴム性のネコなのだ。それは生まれたばかりの子猫の背丈に近く、手のひらより少し大きいサイズのメオは、黄色い目をした黒猫で、他にも白や黄色、グレー、茶色、など…の兄弟がいる。みんなメオと呼ばれ(名字がメオ、姓がロメオ)、メオはズッキーネの季節に生まれた。 私にとって、子どもの本やおもちゃをデザインしその製作プロセスを見守ることは喜びだ。子どもたちは理想的な公衆であり、自分の欲しいものを知っていて、先入観がなく、気に入らないことがあれば、お世辞を言うこともなく、すぐに気持ちを口にする。大人達も層であれば関係はもっとシンプルになるだろうに。 猫の設計図を見ながら、私は笑みを浮かべずにはいられなかった。大きな紙の上に、コンパス、定規、ミリメートルを使ってひとつひとつ目盛りがつけられ、まるで交通監視員が車を止めるように、猫の足と尻尾、A-B断面、右側面、猫の尻尾の縦断面などがデザインされていく。その後、金型や反転型、最初のモデル、そして難関となる猫のひげの取り付け。しかし、今やすべてが完成し、製造の準備が整ったようだ。 私もこの量産化を推進したいが、巨大で複雑な機械だらけで,まるで一つの町のような工場群の中で、どうすればいいやら、私ブルーノ・ムナーリは体重48キロで多くの仕事を混乱させたくはない 、私のネコが街角で、クリスマスに飼い猫をせがむ多くの子どもたちと一緒になれる日を待っている。
Quando un gatto è morbido, liscio, pulito; quando lo puoi mettere molte diverse posizioni e lui ci sta, quando non fa la pipi in nessun luogo, non devi curarlo, non dargli da mangiare e poi, dicom quando hai baffi di nailon cosa vuoi di più? Che cosa gli manca infatti a Meo Romeo? Gli manca la voce Io so, ma alla Gioconda. E la Gioconda non è morbida al tatto, e’ immobile, non puoi farla voltare. Meo Romeo è il nuovo gatto di gommapiuma ideato pervi bamnpbini modrni. Grande poco più di un palmo, misura simile alla statura dei gattini da poco nati, Meo è gatto nera con occhi gialli ea ha altri fratelli: uno bianco, uno gialli; uno grigio, uno marrone e uno... Tutto si chiamano Meo (Meo dl nome e Romeo di cognome) e il Meo è nato al tempo delle zucchine. Per me, devo dirlo, è un picere ideare e seguire la costruzione dl libri o di giocattoli bambini. I bambini sono un pubblico ideale, sanno quello che vogliono, non hanno preconcetti, se una cosa non gli piace Io dicono subito senza tanti complirnenti, anche gli uomini fossero cosi sarebtero semplificati molti rapporti. Mentre seguivo i disegni costruttivi del gatto non potevo trattarmi dal sorridere. Su di un grande foglio di carta, scala uno a uno, con compasso, riga e miIIimetri, il gatto aperto come un vigile che fermi le macchine anche con le gambe e la coda, sezione A-B, fianco destro, sezione longitudinale della coda del gatto e via progettando. Poi gli stampi e i cotrostampi e i primi modelli, poi un punto diffidle: l'attacco dei baffi del gatto. Ma ora sembra tutto finito e per la produzione. Vorrei anche sollecitare questa produzione ma come faccio, in quell'enorme complesso di stabilimenti, grande come un paese, dove si muovono interessi grossi, io, Bruno Mimari, del peso di 48 chili, non mi sento di disturbare tanto Iavoro e aspetto il mio gatto all'angolo della strada, assieme a tanti bambini che mi hanno chiesto per Natale Io possono avere.
…クリスマスのプレゼントにぴったり、と書いていますね。
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イタリアの芸術家+デザイナー+教育者、ブルーノ・ムナーリのことなどあれこれ。
こちらにもいろいろ紹介しています(重複有)https://fdl-italform.webnode.jp/

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