285.最初の触覚ワークショップ(i laboratoti tattili-翻訳14)2019年03月07日 20:12

 1977年、ミラノで初めての触覚ワークショップが行われた。このワークショップはパリ・ポンピドゥーセンターでの展覧会「両手は観察する(Le mani guardano)」展と連携したものである。  パリでの展覧会では触覚ワークショップ開催はできなかったが、ミラノの展覧会では主催者の希望から展覧会に近い二つのホールを使ってワークショップが開催された。  展覧会では、来場者はいろいろな素材に、模型に、レリーフ状の地図に、そして中の見えない箱の中に手を差し入れその中身に触れることができる。  ワークショップは、ミラノ・ブレラ美術館のワークショップで企画された「アートで遊ぶ(Giocare con l'arte)」から展開・準備されたものだった。 このワークショップは、レナート・エーコがメッタ・ジスロン、コーカ・フリジェリオ、トニーノ・ミリーテの協力により実施したものだった。  ブレラのワークショップのように、先生に引率された小学生たちは小一時間ほど、そこでいろいろな触覚を体験していった。  フランスの(ポンピドゥーの)展示とつながる大きな入り口の扉には、ワークショップへの出入り口が、触り心地を感じながら通過する幕になっていて、子ども達や大人達は幕に触れてかき分けながら色々な素材の触り心地に触れて通過するようになっていた。この仕掛けが、入場者にとってすべて展示物に触れられるこの展覧会のイントロになっている。  ミラノ市から提供された材料と、元から用意されていた材料から、子どもたちは経験に必要なすべてのものを見つけられる:紙やすりからフィルムにいたる、あらゆる種類の特徴的な触覚的な素材、色々な素材の触感についての説明パネル、自分たちで選んだ素材を貼り付けることができる木製パネル(タブレット)などが準備された。  ワークショップ開催中、レナート・エーコは彫刻家スタッチョリを招いて、大きな空間で触覚と空間に関する実演を開催した。  このイベントには多くの教師が参加し、スタッチョリは約80平米の空間に異なる素材の組み合わせによる製作を披露した。参加者達は空間の状況と素材の間にも関係性が生まれることを理解することができた:触感には、距離や位置との関係の中でも多様性(組み合わせ)が生まれる。  展覧会の来場者のために用意された何種類かの「触感の定規」からは、フワフワ、ザラザラ、硬さや柔らかさなどの色々な触感のグラデーションを感じることができる。  これは色々な素材による色々な触感のカタログのようなものでもある。

283.触覚的な構成物(i laboratori tattili-翻訳13)2019年02月19日 17:30

いろいろな素材の性質に加えて、同じ素材による異なる構成物からも触覚を広げることができる。 同じ糸で織られた生地が、(織り方によって)他の生地とは異なる触感を持っていたり、異なるやり方で編まれた紐(リボン)もまたいろいろな感覚を与えてくれる: 触感から素材の性質とともに、その構成のされ方が表面(の触感)から感じられるだろう。 同じ鉄で出来ている針金と金網もまた、違った触感を感じさせてくれる。

282.コントラスト(i laboratori tattili-翻訳12)2019年02月19日 17:29

初めの(触覚的な)経験は、例えば硬さと柔らかさ、幾何学的なものと有機的なもの、冷たいものと温かいもの、滑らかなものとザラザラしたものなど、はっきりとしたコントラストを感じるところからであるべきだろう。 こうした体験を経て、徐々に感覚の特徴を比較分類しながら相対的な感覚の特徴を深めていくことができるだろう。

281.素材〜スポンジ、ゴムなど(i laboratori tattili-翻訳11)2019年02月19日 17:28

スポンジ、ゴム、フォームラバー、卓球のラケットに使われる薄いゴムシートなどは、いろいろな触覚を与えてくれる。 柔らかいスポンジもあれば!ひどい汚れを落とすのに使うザラザラした硬いスポンジもあるだろう。天然の海綿は乾いている時と濡れている時で触感が全くちがっている。パラゴムは独特の触感があって、ずっと触っていたくなるような触り心地がある。 ゴムにはいろいろな柔らかさがあり、ビスケットのように割れてしまうゴムはないだろう。

280.素材〜果物、野菜(i laboratori tattili-翻訳10)2019年02月19日 17:23

オレンジの皮は細く柔らかいでこぼこでできていて、メロンの皮は縞で、かぼちゃの皮は半球状に盛り上がった形からできている。

279.素材〜木片 (i laboratori tattili-翻訳09)2019年02月12日 10:57

いろいろな大きさの木の切れ端は、荒さの違ったふるいにかけることで選り分けていろいろに活用できる。(建築の)縁周り材の切れ端もまた、いろいろな触りごこちを提供してくれる。

278.素材について(i laboratoli tattili-翻訳08)2018年11月25日 09:41

 すべての柔らかいシート状になった素材は触覚のトレーニングや触って遊ぶパネル作りに役立つ。  幼い子供たちが抱きしめたり一緒にベッドでお休みするときのお供にする、大好きなふかふかのクマのぬいぐるみを見れば、感受性の発達にとって触覚の大切さを証明している。  触覚を楽しめる素材は不要になった工業製品のサンプルを集めることで手に入れられる:布の見本いろいろなカーペットの見本など。ほかにも粉状の素材、粒状の素材、細かいシリアルやシード、小麦粉、おがくず、細かい鉱物などなど。  温度の差を感じとりやすい素材もあって、たとえば発泡スチロールは体温を蓄えるし、逆にガラスや大理石は体温を吸収する性質を持っている。  また、いろいろな濃度の液体をプラスチックバッグに入れて用意することもできるだろう。  より身近な素材なら、いろいろな布の余った端切れなどは、上手に使えば母親たちにとっても一石二鳥なはず。  これらの素材を組み合わせれば、ミトニーノ・ミリーテがミラノの幼稚園で行なったような触覚のワークショップができるはずだ。

277.ひも (i laboratoli tattili-翻訳07)2018年11月20日 19:10

 あらゆる種類のひも、ロープ、リボン、テープ、ひも状の革やその他の素材、鎖など、触覚のコミュニケーションを組み立てるのに適した素材は、リネアな知覚(時間軸に沿った知覚)を与えてくれる。  リネアな知覚は、(映画を除く)視覚芸術とは異なるものである。  音楽認識や言葉のコミュニケーション、文学などは一般的にリネアな知覚である。つまりリネアな知覚は、視覚芸術がもっていない、時間的知覚の側面を含んでいる。  あえて私たちが望むなら、静止した視覚芸術を「読む」試みはできるだろう。形を認知し、色彩、空間を…というように。しかし一般的には、絵画からはすべての要素が直接的に(同時に)知覚される。

276.熱さと冷たさ(i laboratoli tattili-翻訳06)2018年11月17日 20:28

メッキされた金属板と発泡スチロールをとりつけたパネルをつかって、熱に対する感覚を確かめることができる。 両手をそれぞれの素材にあてることで、暖かさと冷たさの感覚を実感できるだろう。

262.レッジョ・エミリアの幼児教育展2011年05月05日 10:33

驚くべき学びの世界展

2011年5月の連休中に、東京青山のワタリウムで「驚くべき学びの世界展」を見てきました。イタリアのレッジョ・エミリアで展開されている創造的な幼児教育システムを紹介する内容です。http://www.watarium.co.jp/exhibition/index.html 細かな内容は「驚くべき学びの世界」という同名の本(カタログ?)を詳しく読む方がわかりやすいかもしれませんが、展覧会ではイタリアの子どもたちの様子が動画で紹介されているところなどが見所でした。子どもたちの創造性を刺激する色々なワークショップの仕掛けはムナーリのそれときわめて似ています。ただ、ムナーリについてのコメントはひとつも見つけられませんでした…。ムナーリと関わりの深い童話作家ジャンニ・ロダーリはレッジョ・エミリアの幼児教育システムに多少関与したようですが。

<< 2019/03 >>
01 02
03 04 05 06 07 08 09
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

このブログについて

イタリアの芸術家+デザイナー+教育者、ブルーノ・ムナーリのことなどあれこれ。
こちらにもいろいろ紹介しています(重複有)https://fdl-italform.webnode.jp/

RSS