220.「役に立たないムナーリ入門」2007年12月10日 11:53

芸術新潮2008年1月号
近々12月25日に発売予定の「芸術新潮」(2008年1月号)でブルーノ・ムナーリの大特集が準備されているそうです。タイトルも「役に立たないブルーノ・ムナーリ入門」とは、しゃれていますが、発売日が楽しみです。

221.イタリアの巨匠達、ムナーリを語る(序)2007年12月12日 13:27

Maestri del Design
昨年イタリアで見つけた「Maestri del Design」という小さな本があります。イタリアデザインの巨匠たちに若いデザイナー・建築家のグループが同じ設問を携えてインタビューした内容で、カスティリオーニ、マンジェロッティ、マジストレッティ、メンディーニ、ソットサスという大物達が意外なほど率直に答えている好著でした。その中になぜか「ムナーリについて思い出は?」という質問があり、それぞれがそれぞれのムナーリの思い出を一言語っています。次回からぽつぽつと連続で紹介してみようと思います。

222.カスティリオーニ、ムナーリを語る2007年12月14日 22:36

イタリアの工業デザイン・照明器具デザインの象徴的な存在だったアッキーレ・カスティリオーニ(1918-2002)が「ムナーリは?」という質問にこんな風に答えています。「完全な人。彼のことをそんな風に呼びたいね。でも、ちょっと考えると、それも間違っているのかも知れない。とにかく、私は彼が大好きだった」〜L'uomo perfetto; potrei difinirlo in questo modo. Poi dovrei pensarci, perche' e' anche sbagliato dire cosi', Posso dire che l'ho amato molto.

223.マジストレッティ、ムナーリを語る2007年12月16日 23:05

ヴィコ・マジストレッティ

ヴィコ・マジストレッティ(1920‐2006)は戦後イタリアの家具デザインの分野でもっとも成功し、またイタリアデザインの発展に貢献したデザイナーの一人です。「私はブルーノ・ムナーリを尊敬していたよ。私たちは友達だったが、なにより彼はすばらしい冗談をやってのける人だったから、尊敬せずにはいられなかった。知っているかも知れないが、ひとつ彼の冗談を話してみよう。私にとって彼が言った台詞の中でも最高なやつを;『卵は完璧なフォルムをもったオブジェだ。たとえそれが(ニワトリの)ケツから出てきたモノだとしてもね』これは最高のジョークだと思うよ。彼は時々電話をしてきたんだが、それというのも請求書の書き方が分からなかったからなんだ。実に尊敬すべき人、そして素晴らしい才能の持ち主だった。彼は素敵な本を沢山作ったし、「役に立たない機械」を作った。私はまだ進路を決める前の若かった頃に、彼の素晴らしい作品を見て建築家になろうと思ったんだ」-Io ho adorato Bruno Munari, eravamo amici, l'ho adorato anche perche' faceva delle buttate straordinarie. Ve ne racconto una, non so se voi conoscete, per me e' la piu' bella che ha detto Bruno Munari. Sono tra i primi ad averla sentita e diceva; <<L'uovo e' un'oggetto di forma perfetta, anche se e' stato fatto con il culo! >> La trovo una buttata straordinaria. Lui era cosi'; mi telefonava perche' non sapeva come doveva fare per le percelle, era un uomo adorabile, assoltamente addorabile; e poi bravissimo. Ha fatto dei libri, libri bellissimi, poi "le macchine inutili", che sono delle ragioni per cui ho fatto l'architetto, perche' io le ho viste ancora prima di andare in facolta', ed erano straordinarie.

224.マンジェロッティ、ムナーリを語る2007年12月18日 21:49

アンジェロ・マンジェロッティ

アンジェロ・マンジェロッティ(1921〜)は若い頃、グロピウス(バウハウスの元校長)に呼ばれてアメリカの大学で教鞭を執ったという人で、今なお現役で建築からプロダクト・彫刻までデザインするエネルギッシュな巨匠です。「(ムナーリとは)ほとんど行き来はなかったな。ダネーゼでは同じ時期に仕事をしていたんだが、それでも顔を合わせることは殆どなかった。私たちは互いに違うことをし、違う世界に生きていた。彼のフォーク(ムナーリのフォーク)や彼のオモチャは素晴らしいと思っているけれどね。ある種のことについて天才的で、彼はいつでも100%ブルーノ・ムナーリ、思うに、一貫して自分自身であり続けた人だった」-Beh, l'ho frequentato pochissimo.Entrambi lavoravamo per l'azienda Danese ma non ci incontravamo mai. Abbiamo sempre fatto cose diverse, erano due mondi diversi, pur con tutto il rispetto per le sue forchettine e i suoi giochini... Era bravissimo in certe cose, mi pare sia stato estremamente coerente con se stesso: e' sempre stato Bruno Munari al 100 %.

225.メンディーニ、ムナーリを語る2007年12月20日 22:47

アレッサンドロ・メンディーニ(1931~ )はアレッシやスウォッチのデザインディレクターとして80〜90年代のイタリアデザインブームを演出した大物ですが、もともとイタリアのデザイン誌「モード」や「ドムス」の編集長を務めるなど、出版・メディア分野に詳しい人でもあります。「ムナーリについて、ひとつ逸話を話そう。ある時120ページの本を編集しなくてはならないことがあって、ムナーリがレイアウトをすることになっていたんだ。私はレイアウトしなくてはならない写真をすべて抱えて彼の家に行った。そこには小さなテーブルがあってね。そこで彼はたった40分の間に全ての材料をのりで貼り付けて一冊分の本のレイアウトをやってのけてしまった。あれは怪物だ。人間コンピュータだよ」-Posso raccontare un aneddoto semplicissimo. Dovevo fare un libro di centoventi pagine e Bruno Munari doveva impaginarlo. Ho portato tutte le fotografie a casa sua. Aveva un tavolino molto piccolo; vi ha messo tutto il materiale e con la colla in quaranta minuti ha impaginato il libro. Era un mostro. Era un computer umano.

226.ソットサス、ムナーリを語る2007年12月25日 22:10

エットーレ・ソットサス

エットーレ・ソットサス(1917-)は80年代イタリアから世界に発信されたポストモダンデザインの理論的な支柱ともいえる大物です。著名なデザイナーですがアートの分野にも関わり、若い頃MAC(具象芸術運動)ではムナーリと共に運動に関わっていたという記述もありました。「ブルーノ・ムナーリとは友達だったし、よく知っている。何というか、砂糖をまぶしたダダイスト、というところかな。彼はイタリアという環境で非常に評価されていたと思う。しかし私自身はイタリア的でない文化の中で生きてきたし(ソットサスはオーストリア系イタリア人)、そもそも彼の仕事はオモチャ的だったと思う。実際彼は最終的に子どもの話にたどり着いた。私だって子どもが嫌いなわけではないし、短い時間なら子どもは好きだけどね。たとえ私がこどもの世話をさせられたら、それが他人の子であっても、きっとヒステリーを起こすだろうとしても」-Con Bruno Munari eravamo amici, lo conoscevo, era un po' un dadaista zuccherato, insomma... non so prorpio cosa dire. Io credo che in Italia Munari abbia avuto grande funzione, preo' siccome io vivevo di cultura straniera, piu' che altro mi sembreva che i suoi lavori fossero un po' dei giocattoli, infatti e' finito a parlare ai bambini; non che io non ami i bambini, mi piacciono molto, anche per qualche mezz' ora, anche se degli altri, ma se mi devo prendere cura di loro per un giorno divento isterico.

227.「なまけものの犬のしっぽを動かす機械」(ナンセンスの機械)2007年12月27日 22:34

「なまけものの犬のしっぽを動かす機械」

「なまけものの犬のしっぽを動かす機械」 1)吹き矢をカバンの留め金に向けて発射する 2)カバンの留め金が外れる 3)カバンの蓋が開く 4)中に閉じこめられていた伝書鳩が飛び出す 5)飛び立った伝書鳩の足に結びつけられた糸が引っぱられる 6)糸の反対側につながっている車輪が回る 7)車輪についたクランクが動いてスライド式の物差しが前後に動く 8)物差しに取り付けられたエッフェル塔のおみやげも一緒に動く 9)エッフェル塔のおみやげに結びつけられたリボンが引っぱられる 10)リボンが引っぱられると反対の端に結びつけられたはたきとそこにくくりつけられた犬のしっぽが動く

228.ムナーリの動画(YouTube)2007年12月28日 10:11

Munari-workshop(Youtube)

先日ご紹介した「Munart」では、ムナーリのワークショップに関する動画(YouTube)を二本紹介していました。http://www.munart.org/index.php?p3=0 動画はこちら:その1)http://it.youtube.com/watch?v=fg5XWZDu0Ywその2)http://it.youtube.com/watch?v=TCCk1WyKmWs

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こちらにもいろいろ紹介しています(重複有)https://fdl-italform.webnode.jp/

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